
SpiralDanceとは
静岡県浜松市の半分から北側に天竜区という美しい山々に囲まれた自然豊かな土地があります。

この天竜区で害獣として、食肉用として狩猟される鹿や猪の野生動物の皮を回収し、姫路にて皮革に加工、素材として販売すると共に、Spiralで企画した製品に使用しSpiral限定で販売しているオリジナルブランド。それが「SpiralDance」です。
Spiralの店頭に並ぶ他の商品と同様、魅力的な製品であり、実用的であることは大前提ですが、SpiralDanceの商品を手にすることで、人間を取り巻く自然や、命の大切さを再認識していただくきっかけとしていただければ幸いです。
SpiralDance製品のお買い上げに際しての注意事項
SpiralDanceの革は、天然の野生動物の皮革であるため、喧嘩傷、鉄砲穴、ダニなどの虫食いの跡、ナイフ傷・・・などがございます。
SpiralDanceではこのような自然の営み(人間が捕らえる際や加工する際に生じた傷も含めて)による傷はこの皮が生きた証として、あえて生かしております。消したり、カットしたり、避けるような加工は致しません。※アイテムの使用上、不都合のある場合を除きます。
SpiralDanceの革の特性として、この革をさらに魅力的に生かして下さる方や、この生きた証を魅力的だと感じて下さる方に販売させていただきたいと思っております。商品の特性を御理解の上お求め下さいますよう、お願いいたします。
但し、生皮の取扱には充分配慮し、上記のような自然の営みによる傷とは違う、腐りや変色が出るような不手際の無いよう、当店にてしっかり管理しております。
皮革には個体差もございます。季節によって厚みも質感も変わります。一枚として同じ表情の革はございません。
同じ工程で同じ色で仕上げました革でも一点一点違う表情になります。
一期一会の出会いをお楽しみ頂けますと幸いです。
SpiralDanceの素材について
SpiralDanceで使用しているイノシシや鹿の皮は、天竜区春野町の高杉猟友会の皆さんと、横川猟友会、他、個人の猟師の皆様、及び、ジビエ工房ジミートさんよりご提供頂いています。
皮に自然の傷以外のダメージが出ないよう、剥いだらすぐに回収、もしくは冷凍して頂いて、生皮の鮮度を守っています。
SpiralDanceの始まり
ご縁があって、ある日、1頭の鹿の生皮がSpiralにやってきました。
害獣駆除で廃棄される生き物について、ジビエブームの裏側で廃棄される皮について、ずっと気になっていた私は、この廃棄されている皮を活かすということ、”鞣す”と言うことはどういうことなのかを、先ずは、身をもって体験してみようと思いました。

それはもう、言うが易しとはこの事だと痛感せざるを得ない、大変な半年間の皮との格闘となりました。
「鞣す」というのは皮を腐らなくすることです。
これに関しては確かに成功しました。
腐らない革はできましたが、それはもうぼろぼろの穴だらけ。
これではとても活かしているとは言えない。
やはり革を作るという工程はプロにお願いするべきだと確信。
野生の皮を鞣してくれる皮革加工業者さんを探すことになりました。
鞣すと言っても野生獣の皮。。。しかも超小ロット。。。相手にしてくれる鞣し業者さんは片手ほどしかありません。いろいろな人の繋がりと助けを得て、そのうちの2社とお付き合いさせて頂けることとなりました。
SpiralDanceの鞣し
秘密が多いタンナーさんの世界。お付き合いさせて頂いている、国内で唯一、本当の白鞣しを手がけることのできるタンナーさんを訪ねて、姫路まで行ってきました。
画像は原皮の肉剥ぎ工程。

冷凍で届いた原皮を先ずは解凍するところから、多くの工程が施されます。
私達が見れたのはほんの触りの部分。
これからいくつもの工程を経て、原皮から革へと変化していきます。
一口に「鞣し」と言っても、沢山の種類があります。
SpiralDanceの革は、原皮の状態や、作りたいものによって、タンナーさんと連絡を取り合い、その都度鞣し方を変えています。
鹿革は一般的にはシボが多くて柔らかい。
猪は繊維が荒くて固い。
そんな固定概念が私達にもありました。
ところが鞣し方次第で、思いもよらぬ変化を遂げることがわかりました。
姫路に続き、お付き合いさせていただいている長野のタンナーさんでは滑らかで柔らかい皮革を。
奈良のタンナーさんでは伝統ある鹿のセーム革や毛皮を。
タンナーさんごとにもあらゆる表情を見せてくれる鹿や猪の革。
これからも研究を重ね、鹿や猪の革だからこそ素晴らしい!と感じていただける製品を目指して、いろいろな鞣しに挑戦していきたいと思います。
SpiralDanceのものづくり
現在、SpiralDanceの製品は多くのメーカーさんや職人さんにご協力いただき、製品化しています。
製品化にご協力いただいている皆様
- がま口やサコッシュなど、数多くの別注アイテムにご協力いただいておりますGroover Leather
- ヘビーデューティーな旅のかばんを作るVASCO
- 靴職人Alistocrato
- 牙にシルバー加工をしてくださっているLilac
- ミニウォレットを別注させていただきましたアクセルカンパニー
- オリジナルシルバーアイテムにご協力いただいておりますFourStars
- レザーキャスケットの制作STURDY
- コサックジャケットの一部に鹿革を用いて別注させていただきましたG&F Co.
皮革素材として活用してくださっている皆様
- 思いに共感していただき、初期からお取り扱いいただいております、レディースバッグのテアトリーノ
- 原材料からこだわった手作りの竹の鞄を制作されている職人竹の鞄げん
- 老舗メガネ用品の栄商会
- キャンプ用品やアクセサリーなどを制作cry sea works
- アンティークオメガ用のベルトにご使用いただいていますWhiteKings
- オーダーのお財布などにご使用いただいておりますNIXON SUNDAY GOODS
他、多数のアーティストの皆様
SpiralDanceLeatherのSpiralはどんどん広がってゆきます。
全国に広がりつつある、野生獣皮革製品の中でも、SpiralDanceの製品はクオリティが高く、魅力的だと自負しております。是非店頭、もしくは当店オンラインショップでお確かめください。
また、天然皮革の傷跡や穴などを活かしたハンドメイド感溢れる製品もテンチョー福澤とスタッフギャロこと鈴木が手作りにて、不定期、気まぐれではございますがご提供させていただきます。
最近では、通常のレザークラフトワークショップと一味違うワークショップもご依頼いただくことが増えてきました。
今後は新しい拠点”SpiralWorkShop”にて、多くの方々に野生獣皮革に触れてみていただきたいと思っています。

SpiralDanceの製品は天然皮革を使用するため、個体の状況によりまして同じ革でも部位によって全く違う表情となります。このため、ほぼすべてが一点物となります。
皮革に留まらず、脂やツノなども活用すべく、現在も色々なアイテムを開発中です。どうぞお楽しみに。
形を変えた生き物のの証を、貴方の日々の生活に活かしていただければ幸いです。